したんだピアノ
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ヤマハU3H アクション引き取り修理/鍵盤クリーニング



お客様のお宅よりアクションと鍵盤引き取ってきました。





ハンマーフェルトに弦の跡がかなりついています。
ここまで溝が深いと良い音色は望めません。

ハンマーに手を付ける前にアクションの掃除、
破損している部品の交換をしていきます。




ハンマーの戻りを手助けするブライドルテープの劣化もひどく、
ブライドルチップ(赤い部分)は、ちょっとさわるとボロボロになってしまいました。





ひとつひとつ、ハンマーを外していきます。
通常は見えない部分です。
かなり汚れが積もっています。




ハンマーを全部、取り外しました。






ダンパーもすべて取り外してから、作業にかかります。





個々のダンパーを押し上げるスプーンと、
右のペダルと連動して全体のダンパーを押し上げるロッドです。
そうとうザラついています。





スプーンがザラついていると
打鍵時にジャリっと少し違和感が感じられます。




ひとつひとつのスプーンを
ピカピカに磨きあげます。




右のペダルに連動して全体のダンパーを
いっせいに押し上げるロッドです。





ピカピカに磨き上げます。
ペダリングがスムーズになり、
嫌な雑音が消えます。




ロッドの取り付け部分も磨きあげます。ブッシング部分には黒鉛処理をしています。





ハンマーを押し上げるジャックが、
黒鉛で汚れています。




ジャックと共に、レギュレーティングレールを
留めるフォークスクリューも磨きます。




ワイヤー類も磨きます。
直接、音に関係ある部分では無いのですが、
綺麗になると気持ちがよいです。




バックチェックワイヤーと
ブライドルワイヤーも、
すっかりリフレッシュしました。




センターレール(アクションの部品を取り付けるレール)も磨きます。





鍵盤に乗るウィッペンの下側です。
ウィッペンヒールクロスがパイロットの
乗る部分のみ、黒鉛処理されています。




ウィッペンヒールクロス全体に、
キチンと黒鉛処理をしてあげます。





レギュレーティングレールです。
アフタータッチを造る重要なパーツです。




ひとつひとつ、磨いていきます。





ジャックのテールが当たるクロスにも黒鉛処理をします。





ジャックストップレールの汚れも取り除きます。




綺麗にして取り付けます。




見えない部分も隅々まで綺麗にしていきます。





取り外したダンパーです。




ダンパーワイヤーから磨いていきます。





ダンパーを取り付けるネジも、
ひとつひとつ綺麗にしていきます。




ダンパースプリングが入る溝に黒鉛処理をします。




ダンパースプリングも、
ひとつひとつ磨いていきます。






きわめて地味な作業ですが、こういった
地味な作業をコツコツしなければ、
ぜったいに良い弾き心地にはなりません。
自分はそう信じています。




ダンパーを慎重に取り付けていきます。




だんだんと形になってきました。




弱音器のフェルトも張り替えます。





新品のフェルトに張り替えることで
均一に音が小さくなります。




工房で弱音器のフェルト張り替えした場合、お届けするまで
フェルトが汚れないようにラップで包む事にしています。




白鍵盤のクリーニングです。
練習の成果を消すのは忍びないですが・・・




すっかりリフレッシュしました。





次に黒鍵も綺麗にしていきます。




白鍵と擦れて黒ラックがはげています。
これも練習の成果です。




黒ラックを塗り直していきます。





乾かして完了。見違えるように綺麗になりました。




鍵盤のブッシングクロスに黒鉛処理をします。
ブッシングクロスをこれ以上
すり減らさないようにする為です。




フロント、バランス両方のピンが接触する部分の
ブッシングクロスに黒鉛処理をします。





鍵盤のブッシングクロスに黒鉛処理をする事で、
動きがスムーズになります。




ハンマーの戻りを手助けする、
ブライドルテープの張り替えです。




全部が同じ長さに揃うように
慎重に交換していきます。




バットスプリングコードの張り替えです。
簡単に言えば、連打を可能にする重要なスプリングコード(白いヒモ)です。

以前に、全部のコードを張り替えているみたいですが応急処置的に行ったようです。
どす黒く見えるのは、新品の時に貼ってあったコード(オリジナルは茶色)の名残りです。

今回しっかり修理します。古い汚い接着剤も全部綺麗に除去して、
リセットした上で新しいコードを張り替えました。




ゴミが付着したり接着剤がはみ出していたりすると
ハンマーの動きの妨げになります。しっかり修理しました。




ハンマーの動きの点検・修理を行います。
人間でいえば関節の部分に、ブッシングでおおわれた
「ピン」が入っていて、センターピンと言います。

湿気っぽい場所に置いてあったりすると、このように動きが悪くなったりします。
動かないからといって、壊れているわけではありません。
そういう場合、ピンを交換する必要があります。




ブッシングをすこーし削って、
スムーズに動くように修理します。




新しいピンに交換します。





はみ出た部分を切断して、
動きをチェックします。




ひとつひとつ、ハンマーを取り付けていきます。




次に、ハンマーフェルトの弦の跡を綺麗にします。ファイリング、という作業です。




ひとつひとつ、丁寧に。
音色を造り直すのにとても重要な作業です。




ハンマーフェルトも、
すっかりリフレッシュしました。




工房での作業はここまでになります。
あとは、現場での作業になります。

本体にアクションを取り付けて、

整調(鍵盤、アクションを正しい動きにしてあげる)、
整音(音色をつくってあげる)、
調律(音程、ハーモニーをつくってあげる)、

の作業で、ピアノがよみがえります。